オシドリ一家と仲間たち
北大のオシドリを探して
6月はオシドリのヒナの巣立ちの季節です。
オシドリは卵から孵ってすぐに親鳥と一緒に行動をはじめます。
ヒナが飛べるようになるまでは、主に池やその周りで行動します。
札幌では円山公園と北海道大学がオシドリのスポットとして有名です。
昨年は円山公園に行ったので、今年は家から比較的近い北海道大学の大野池に行くことにしました。
北海道大学のオシドリについて調べてみると、2019年は6月14日に見たという記録があります。
今日が6月4日なのでちょっと早いかなと思ったのですが、ちょうど北大方面に出かける用事があったので、出かけてみることにしました。
北大周辺に無料の駐車場はありません。
また中心部にも近いので駐車料金が高めです。
駐車場を選べば1時間200円の駐車場もありますが、大抵1時間300円です。
秀岳荘北大店の近くの駐車場が1時間200円でおすすめなのですが、この時は満車でした。
日中の最大駐車料金は1000円が相場です。創成川まで行くともう少し安くなりますが、北大まで15分~30分くらい歩くことになります。
お散歩がてら歩くのは良いかもしれません。
私達は妊婦がいて長距離を歩くのが大変だったので、出来るだけ近い駐車場に駐車しました。
大野池の闇の歴史
西5丁目樽川通と北13条通りの交差点にある北大の入口からポプラ並木に沿って10分ほど進み、突き当りを左に曲がって少し行くと大野池の入口があります。
森の入口に「火を使って飲食するのはやめましょう」という看板があるので、それが目印です。
一体、北大生はここで過去に何をやらかしたのでしょうか。
「大野池はこちらです」といった親切な看板はありません。
こんにちはオシドリさん
いたいた!
森を抜けると水草が生い茂った沼が見えてきました。
水面に浮かんだハスの葉が強い日差しのに照らされてきらきら光っています。
最初は何もいないのかなと思ったのですが、よく見ると池の奥には沢山の人だかりがいます。
皆さんカメラを構えてじっと何かを見つめています。
池の奥を目を凝らしてじっと見てみると、オシドリの一家がいました。
お母さんとヒナが5羽います。
多い時には2〜3家族いる時もあるようなのですが、この日は1家族だけです。
オシドリは毎年10個程の卵を産むはずなのですが、この家族のヒナは5羽。
カラスに食べられたり、迷子になったりしたのでしょうか。
ぐるぐるまわるよ雛たちと
大野池は1周2〜300m程の池です。周囲には1周出来る木道も付いています。オシドリ一家はこの池の中をぐるぐる周りながら餌を探しているようです。
オシドリはその名前から夫婦で仲良く暮らしているイメージがありますが、そんな事はありません。基本的にオスには育児をする気が全く無いようです。
今回の大野池のオシドリに限ってはオスの姿すら見えません。どこへ行ってしまったのでしょうか。
ちなみに、オシドリは毎年相手を変えて繁殖するそうです。
石田純一みたいですね。
なぜ仲の良い夫婦の事をオシドリ夫婦と言うのか謎です。
親の後をヒナが並んで歩いているのはカモの話です。
オシドリのヒナは自由気ままです。エサがありそうだと思ったら、どこまででも行ってしまいます。
お母さんオシドリは4方8方へ散らばるヒナたちを探して大忙しです。
この池は周りが高くなっていて、ヒナが地上に簡単に地上に上がれないようになっているので良いのですが、円山公園の場合ヒナが地上にも自由に行動してしまうので、お母さんオシドリは大変です。ヒナを探して右往左往しています。
なぜオシドリのヒナだけこんなに自由気ままなのでしょうか。
カラス襲来、チワワおじさん激闘
そしてついに、恐れていた事態が発生してしまいました。
カラス襲来です。しかも2羽。
木の上から何度も池に向かって急降下してオシドリ一家を威嚇します。
お母さんオシドリとその取り巻きのホモ・サピエンス達に緊張が走ります。
さらに運の悪い事にもう一羽カラスがやってきました。
カラスたちは木の上で大きな声で鳴き、交互に急降下を繰り返します。
やがて池の周りの杭に降り立ち、目の前のヒナを狙います。
その時、一人のおじさんが立ち上がりました。
チワワを小脇に抱えたおじさんが、空いたもう片方の手振り回しカラスに果敢に挑みかかりました。
カラスも負けじと威嚇して応戦します。
小脇のチワワはキョトンとしています。
おじさんは必死なのですが、チワワを抱えたままだと全く怖くありません。むしろ可愛らしい感じです。
カラスもそれを知ってか、翼を広げたり、鳴いたりしておじさんに果敢に挑んでいくのですが、さすがに分が悪そうだと悟ったのか逃げて行きました。
さらにもう一羽とケンカをはじめたのか、お互い鳴いて威嚇し合いながらどこかに飛び去って行きました。
蓮の葉の上によじのぼる
ヒナは蓮の上に上るのが大好きです。
葉の上で一生懸命何かをついばんでいます。
蓮の葉に上れるのは体重の軽い今だけのようです。
葉が広くて、穴が開いたり破れていないものが上るのに良さそうです。
何度もチャレンジして葉から転げ落ち、やっとのことで上ります。
そして一心不乱に何かを食べています。
ヒナの全身を見ることが出来るのはこのタイミングだけです。
黄色くてふわふわしていてとてもキュートです。
すみかへ
しばらくすると池の下流に向かって家族仲良く去って行きました。
ヒナより多い取り巻きの人間たちがその後にぞろぞろと続いて行きます。
まるで大名行列のようです。
やがてすみかのある川の奥へと去って行きました。
今年はたくさんのヒナが育ってくれると良いですね。